「融資が下りないのは事業計画が甘いから?」——起業家なら一度は突き当たる壁です。
私も例外ではなく、3行連続で融資否決を経験しました。
しかし、否決の理由を“設計課題”として改善したことで、最終的に有利な条件で資金調達を実現できました。
ここではその体験談と、再挑戦のための実務的ポイントを共有します。

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初回否決の真因──“返済原資の根拠薄い”が9割
銀行融資で最大のハードルは「返済原資の証明」です。私の資金調達体験談では、初回申請時に季節変動や運転資金の不足、担保・保証設計の甘さを指摘されました。
たとえば年間売上予測は前年の単純増加で算出しており、季節的なオフ期を織り込んでいませんでした。運転資金も「最低限あれば足りる」という感覚的な見積もり。結果、銀行からは「返済原資の根拠が薄い」と即座に否決。
改善後は、季節別キャッシュフローを作成し「DSCR(債務返済余裕率)1.2以上」を明示。これにより、同じ金融機関で再審査が通り、融資可決へと転じました。
突っ込まれた数字はこう直す(季節性・運転資金・DSCR)
再申請に向けて最初に取り組んだのは月次キャッシュフロー表の作成です。季節要因で売上が落ち込む月を想定し、在庫回転率や前受金・キャンセル率を数値化しました。
さらに「運転資金3〜6か月分」を別枠で確保。突発的な売上減でも返済が滞らない設計を示すことで、資金ショートの確率を定量的に低減。
これにより、担当者から「リスクに耐えられる余裕資金が見えた」と評価され、融資への信頼度が一段と高まりました。
稟議を通す“資料パッケージ”の作り方
銀行は最終的に稟議書で決裁します。担当者が上席に説明しやすい資料パッケージを整えることが不可欠です。
私が用意したのはA4サイズ20〜30枚。市場分析・競合ベンチマーク・KPI推移・工程表・リスク対策を網羅し、競合比較表や施設平面図、工期ガントチャートを添付しました。
この結果、担当者は「上に通しやすい」と評価。通常2か月かかる審査が1か月弱で完了しました。
メンタルを保つ再申請ルーティン
否決は精神的に堪えます。私が実践したのは30〜45日間隔での再申請サイクル。否決理由を「設計課題」として箇条書きにし、改善→再提出を繰り返しました。
このルーティンを3回繰り返した結果、金利は当初提案より0.3%下がり、据置期間も6か月に延長。冷静に改善を積み重ねれば、条件を有利にできることを実感しました。
断られたおかげで見えた“金融の視点”
最終的に気づいたのは、銀行は「返済原資」「資金使途」「担保」「経営者資質」「第三者評価」を総合的に見ているということです。情熱や夢だけではなく、数字と第三者証明で裏付けることが求められます。
私は第三者からの推薦状、顧客の予約見込み、事業提携先とのLOI(意向表明書)を提出し、非財務面の信用を補完しました。これが最終的な融資承認の後押しになったと確信しています。
まとめと行動提案
銀行融資は「断られて終わり」ではありません。否決理由を設計課題として分析し、数値の裏付け・余裕資金・資料体裁を改善すれば再申請で条件を引き上げることも可能です。
これから資金調達に挑む方は、否決通知を恐れず“改善のチェックリスト”として活用してください。数字と根拠を整え続けるその過程こそが、事業を強くし、最終的に資金を引き寄せます。